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最近、中国のネット上で「漢字を発明したのは韓国人」というトンデモ文章が大きな騒ぎを巻き起こしている。
この文章は、もともとある韓国人がヨーロッパの中国語研究誌(サイト)に投稿したものらしい。
 
今、中国のあっちこっちの掲示板で「祭り」状態になっていて、ひところの「歴史問題」や靖国関係の話題よりも熱く、激しく燃え上がっている。
 
それはさておき、こういうトンデモさんは日本だろうが韓国だろうがアメリカだろうがどこにでもいる。何も本気で相手する必要はないだろうに、なぜ中国人はこんなにも怒るのだろうか。もし日本人だったら、「ああ、あほなやつがおるなあ」で終わりである
 
私が思うにこれは中国人の「中華思想」に関係がある。
よく知られるように「中華思想」とは「中国」、「中華」が世界の中心で、その周りを取り巻くのが「蛮夷」であるとする思想であるが、ここでの「中華」とは世界でもっとも文明的な民族であり、「蛮夷」は中国文化のすばらしさを知らずいまだに文明化されていない不幸な人たちをいう。
 
つまり「中華」と「蛮夷」を区分するものは「文明」と「野蛮」である。そして、より具体的にいえば中国語や漢字に代表される中国文化を受け入れているかどうかの違いである。
 
たとえ姿かたちが異なる「蛮夷」であっても、中国文化を受け入れて中国語を話し、漢字を使っていれば、文明人すなわち「中国人」として受け入れられた。
極端に言えば、中国人の定義とは「中国語と漢字が操れる人」のことである。

 
中国(主に漢族)はこのようにして多くの「蛮夷」を自らの元に迎え入れ、「中国人」をどんどん増やしていったのである。

この点は日本やその他の国々の民族主義のような、人種や血統に重きを置く考え方とは大きく異なる。
 
こうした考え方は今でも中国人の中に残っている。
たとえば、私はこれまで「日本人か、フン!」というようなそっけない態度をとっていた中国人に中国語を話しかけたり、漢字を書いたり、中国史の話題を振ったりすると態度が180度変わってやたら親切になるという状況に何度となく出会っている。
 
つまり、中国人のアイデンティティとはほかならぬ中国文明、中国文化であり、漢字はその核心である。
 
 
今回の「漢字は韓国人が発明した」説はいわば中国人の「地雷」を踏んでしまったというところだろう。
「中華」の証明、文明の証明たる漢字を韓国人が奪うなどということは決して許されないことなのである。
(そりゃ怒るわな)
 
今回の騒動で、改めて「中国人とは何か」という問題について考えさせられた。
 
 
 
まとまりのない文章で申し訳ありません。