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戯台

 皇帝、皇族のために劇を上演する舞台。乾隆四十六年~四十八年(1781~1783)ごろ竣工。

 

瀋陽(08.9.6~9.7) 169 

戯台(2008年9月撮影)
舞台後ろの長方形の建物は舞台裏の控え室(扮戯房)

 

 戯台は皇帝、皇族のために劇を上演する舞台で、瀋陽故宮の西路の南端に位置している。

 乾隆帝は芝居好きで知られ、紫禁城の暢音閣を初めとして、中南海、北海、円明園、熱河の避暑山荘など、いろいろな場所に戯台を建てて観劇を楽しんだ。乾隆五十五年(1790)、乾隆帝の八十歳の誕生日を祝うために、各地の劇団が北京に集結したのが京劇誕生の契機となったことは有名。

 2008年9月に筆者が瀋陽故宮を見学した際にも、戯台の回廊に清代演劇史や各地の戯台の写真パネルが展示されていた。

 瀋陽故宮の戯台も芝居好きの乾隆帝のために造営されたもので、乾隆帝の第四次東巡(1783)に合わせ、乾隆四十六年~四十八年(1781~1783)ごろ竣工。乾隆帝や嘉慶帝、道光帝は盛京滞在時ここで観劇を楽しんだ。

戯台周囲の回廊(東側)戯台周囲の回廊(西側)

戯台周囲の回廊(2008年9月撮影)

 

 戯台は北向きに作られており、皇帝は向かい側の嘉蔭堂で南側に向いて座り、大臣たちは回廊に列席し、芝居見物を楽しんだ。

 戯台は南が舞台裏の控え室(扮戯房)、北が嘉蔭堂、東西が回廊によって囲まれた閉鎖空間で、これは上演時の音響効果をねらったものらしい。

戯台周辺の建築群

戯台周辺の建築群(Google Earth 衛星写真 2008年10月2日アクセス)


 

参考文献・サイト(順不同)

佟悦編著『瀋陽故宮』清文化叢書、一宮三陵系列、瀋陽出版社、2004年
羅麗欣:文・佟福貴:図『瀋陽故宮』遼寧世界遺産画廊、瀋陽出版社、2005
村田治郎『満洲の史蹟』座右宝刊行会、1944年
平林宣和「紫禁城の古戯台」月刊『しにか』2000年4月号、pp66~67、2000年