2025年11月の読書メーター

11月の読書メーター
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続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実 (中公新書 2838)続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実 (中公新書 2838)感想
今回は明治からアジア太平洋戦争までの日本陸海軍兵士の衣食住、衛生などについて検討。兵士の栄養状況、衛生環境が満洲事変あたりまでは改善されるが日中戦争以降退行していく事実は興味深い。印象的なのは飯盒炊爨の兵士への負担の大きさ。また、階級が下がるほど犠牲が増える「犠牲の不平等」、品質の悪い被服・軍靴、装備・荷物を背負う負担、衛生環境の劣悪さ、艦船の居住性の悪さなど、乏しい国力で軍備を充実させるためのつけを一般兵士に払わせていることがわかる。まさに著者の指摘する「人間軽視」の発想である。受け継ぐべき重い教訓。
読了日:11月03日 著者:吉田 裕

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