中国、検閲ソフトのプリインストール義務付け

 

検閲ソフト義務化　有害サイト接続遮断　中国内で販売のＰＣ（東京新聞：2009年6月10日 朝刊）

　【北京＝池田実】中国工業情報省は九日、国内で販売するパソコンに、「有害サイト」への接続を遮断する中国政府指定の検閲ソフト搭載を義務付けると発表した。「青少年の健全育成」というのが名目だが、十月の建国六十周年を控えた中国政府は、社会安定を最重要課題として掲げており、ソフト搭載は情報統制強化の一環とみられる。

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外交部が「検閲ソフト」搭載に関する意見・批判に反駁

6月11日13時22分配信 サーチナ

　外交部の秦剛報道官は定例記者会見で、『中国国内で生産・販売されるパソコンは出荷前に検閲ソフトを搭載しなければならない』点について、「世間の人々にこの措置の目的を正しく理解してもらいたい。これは社会に有害な情報がインターネットで広まることを避けるためだ」と述べた。
　ある外国人記者が「ウォールストリート・ジャーナル」の関連報道を証明してほしいと質問すると、秦剛報道官は直接それには答えず、2つのことをその記者に問い返した。
　「このソフトウェアが何のソフトウェアか知っているか？きっと知っているだろうと思うが、インターネットでポルノなどの猥褻な情報や暴力的な情報をフィルタリングするものだ。あなたには子供がいるか？もうすでにいるか、あるいは今後ほしいと思っているのであれば、インターネットで有害な情報が広がることを多くの保護者が心配し関心を持っていることが理解できるだろう」と語った。
　また秦剛報道官は、「中国のインターネットはオープンで、中国政府はインターネットの健全な発展を積極的に推進している。しかし法律に基づいてネットワークを管理する必要があり、その目的は社会に有害な情報が広がることを避けるためだ」と指摘した。

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秦刚谈绿坝—花季护航软件 问记者:你有孩子吗?　（人民網：天津視窓　2009-6-10 18:26:23）

           (参考：上の記事の中国語版）

昨日（9日）中国でも正式に報道されていました。ソフトの名は中国語で「緑壩・花季護航」（緑のダム・青春の護衛、グリーンダム・ユースエスコート Green Dam－Youth Escort）、政府の木っ端役人と御用商人のご苦労がうかがわれる名前ですよね。

なんでも青少年を有害サイトから保護するためのソフトだそうで、中国政府はこれを無料でダウンロードさせ、7月以降販売される新しいPCには一律強制インストールするのだそうです。

これには中国国内からも異論が出ているようで、人民日報のサイトにすら異論が掲載・転載されています。

调查称八成多网友认为电脑装"绿坝"侵犯隐私（ 人民网-《京华时报》：2009年06月10日11:23）

調査結果：ネットユーザーの八割は、「緑のダム」のインストールはプライバシー侵害とみなす

（ただ記事の末尾に「日本でもネット規制を行う」と付け加えてあるのは曲解です。むろん規制はありますが、中国政府のような露骨かつ強制的なものではありません。何か法律や規制を試行するときは「外国でもそうしている」というのが中国政府の常套句です）

沈阳晚报：“绿坝”，看上去有点“霸” （人民网‐沈阳晚报：2009年06月10日16:05）

瀋陽晩報：「緑のダム」、ちょっと「ご無体」では

（中国語の坝（壩）ba＝ダムと「霸」ba＝自分勝手、横暴は同音）

绿坝，请不要以保护孩子为名侵犯公民自由（人民网《长江日报》：2009年06月11日09:41）

緑のダム、子供を守るという名目で市民の自由を侵害するな

ただ、これも結局は政府も国民の声を聞いてやっているというパフォーマンスで、結局はそのまま施行でしょう。

政府と共産党のお慈悲には全く感謝の言葉もございません。感激のあまりへどがでそうです。

慈悲深い中国政府にとってはネチズンはすべて馬鹿で間抜けな子供に見えるようです。

ありがたいですね～

この間取り上げた「グレートファイアウォール」それに日頃の態度を見ていると、どうも中国政府のお歴々は「中国人はどうしようもない馬鹿で、政府が教育してやらなければ何をするかわからない」と本気で信じておられるようです。

ただ単に自分たちの既得権を守るためだけにそうしているのではなく、本気でそう信じ込んでいるのだから余計に始末が悪いですね。

これは「君子」や「士大夫」と呼ばれる人格と能力とを兼ね備えたエリートが、道徳心も政治能力がない愚かな大衆を指導するという中国の伝統的思想に根ざした考え方でしょうね。

一事が万事この調子。

あのな、今はもう21世紀やぞ！数百年前みたいに識字率10％以下とかそういう時代やないぞ！

まるで子離れできない親のようですねえ。