郷原(きょうげん)は徳の賊なり――参政党とその支持者について
子曰く、郷原は徳の賊なり。
子曰、郷原德之賊也
先生が言われた、「村一番の善人」は、道徳を損なうものだよ。
(『論語』陽貨第十七-13)
参政党とその支持者については「極中道(きょくちゅうどう) Extreme Center」だなと思っているが、別の言い方をすれば、『論語』、『孟子』で言うところの「郷原(きょうげん、「村一番の善人」)」かもしれないと思い始めている。
これは、孟子などがより詳しく説明しているが、郷原すなわち「村一番の善人」は、一見するといい感じで、口では道徳を唱え、いかにも中道で欠点がない温和な善人のふりをして共同体内で支持を得るが、実は八方美人で道徳を損なうということである。
孔子、孟子、そして儒教思想ではこうした種類の人間をかなり危険視してきた。
自分としても、参政党の思想は、それこそ家父長制社会の村(郷)のような狭い共同体の善人(原)としてならあるいは通用するだろうが、家父長制から脱却していこうとする現代社会、そして国家さらには世界というより広い共同体では通用しないものだと思う。
それを無理矢理押し通そうとすれば、社会の分断と停滞を招くだけである。そう考えざるを得ない。
参政党とその支持者を見ていると、現代社会に現れた「郷原」だなあと思う。
参考記事
陽貨第十七 13 子曰、郷原德之賊也(Web漢文大系)(2025年7月9日閲覧)
https://kanbun.info/keibu/rongo1713.html自分のブログ記事です。
「極中道 Extreme Center」とSNSと参政党
https://talkiyanhoninjai.net/archives/14950