大清門
大清門は、瀋陽故宮の中央南に位置する宮殿の正門であり、清代には午門とも呼ばれた。建築年代は天聡年間(1627~35)で、崇德元年(1636)に正式に大清門と命名。文武百官や外国使節はここでホンタイジの出御を待ち、またホンタイジがここで臣下や外国使節に賞賜を与えるなど、多くの典礼がここで行われた。
建築様式は崇政殿、清寧宮と同じく五間硬山式で、特に崇政殿とは屋根の鴟吻(虬吻)、建物の正面左右端(墀頭)の瑠璃の浮き彫り、軒下の四角い柱や斗拱(ときょう)など共通点が非常に多い。
外側の「沈阳故宫」の扁額は戦後に掛けられたもので、郭沫若の筆。
門の左右には二匹の石の獅子が座っており、門を守護している。
参考文献
佟悦編著『瀋陽故宮』清文化叢書、一宮三陵系列、瀋陽出版社、2004年
羅麗欣:文・佟福貴:図『瀋陽故宮』遼寧世界遺産画廊、瀋陽出版社、2005年
村田治郎『満洲の史蹟』座右宝刊行会、1944年