2025年9月の読書メーター
9月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1087
ナイス数:98
日本の西洋史学 先駆者たちの肖像 (講談社学術文庫)の感想
お雇い外国人リースによるランケ史学の移植から第二次世界大戦終戦までの日本の西洋史学の展開を先駆者たちの群像を通じて描く。ランケ史学から社会経済史への潮流、マルクスとウェーバーの受容、戦争との関わりなど興味深い点が多い。特に上原専禄による世界史像の提唱を掘り下げていて面白かった。こうした歴史は、日本人が西洋史ひいては外国史を学び、研究する意味、ひいては日本と日本人が西洋という存在ひいては外国という存在といかに対峙してきたか、いかに理解しようとしたかを考える手がかりになるかもしれないと思った。
読了日:09月07日 著者:土肥 恒之中華料理と日本人-帝国主義から懐かしの味への100年史 (中公新書 2861)の感想
中華料理が帝国日本の勢力拡大の中で受容され、やがて「懐かしの味」に変わっていく過程を描き出す。ある意味英国におけるカレー・インド料理と共通しているとのこと。個人的に興味深いのは「ジンギスカン」料理の歴史で、モンゴルとは直接関係ない北京の羊料理だったものが、日本人により「ジンギスカン」に結びつけられ、戦意高揚にも利用されたが、戦後にはそれが忘れられ、北海道で郷土料理として定着していく。これは近現代日本と「満蒙」との関わりを考える上での好材料だと感じた。また、他の料理についても興味深い話が多かった。
読了日:09月16日 著者:岩間 一弘天上恋歌 ~金の皇女と火の薬師~ 12 (12) (ボニータコミックス)の感想
宋の違約に激怒した金が全面侵攻。なんとか両国の間を取り持とうとする者たちの働きも及ばなかったのが悲しい。主人公のかけがえのない家族の一人も死を迎える。印象的なのは宋の大臣たちの無節操さと無責任さ、そしてそれをわかった上で利用している上皇のどす黒さ。そりゃ火薬技術者たちも愛想をつかしたくなるだろうという納得の描写。戦乱に翻弄される宋の女性たちも悲しく、これについては後書きも含めて読んでほしい。
読了日:09月16日 著者:青木朋魔境斬刻録 隣り合わせの灰と青春 3 (ボーダーコミックス)の感想
悪のパーティーが壊滅。原作と『Wizardry』を上手く消化している。この辺の展開は好き。
読了日:09月22日 著者:稲田 晃司魔境斬刻録 隣り合わせの灰と青春 4 (ボーダーコミックス)の感想
いよいよ最下層の大詰めの展開。分断されたパーティーはどうなる?アルハイムの意図とは?原作をテンポ良く漫画化しており、面白く読める。
読了日:09月22日 著者:稲田 晃司
読書メーター