【感想】『ノイエ銀英伝』第三十九話 雷鳴
ランズベルク伯とフレーゲル男爵の参謀だったシューマッハがオーディンに潜入したとの報を受けたラインハルト。
ヒルダは彼らがテロリズム、要人誘拐を企んでいる可能性があると指摘した。
要人誘拐の目標となる可能性のある3人のうちアンネローゼを挙げられたときのラインハルトの狼狽ぶりとブチ切れぶりが凄かった。アニメの絵としての表現と声優の声での演技が怖かった。
そしてヒルダは誘拐の目標となる可能性が最も高いのは幼帝だと発言。
その辺はさすがヒルダだなあと思った。
山荘に隠れ住むアンネローゼを訪ね、護衛を付けさせてもらえるよう説得するヒルダとアンネローゼのやりとり。
お互いに慎重に言葉を選びながら話し合い、最後には互いにファーストネームを呼び合う関係になれたのが良かった。
それにしても、アンネローゼはまるで自分自身を幽閉しているようだった。山荘自体が深い森の中にあり、断崖絶壁に取り囲まれた場所だというのも、それを象徴している。
あと、自分としては、こんな辺鄙で不便なところを警備、護衛する場合、いろいろ大変だろうなとは思った。
確かに護衛することだけを考えれば、ラインハルトと一緒に住んでもらうのが一番効率的ではあるんだよなあ。
護衛の兵士がどの程度の規模必要になるかはわからないけど、兵士を配置するにも場所をいろいろ検討するだろうし、兵士のための詰所とか宿舎(ヒルダも山荘で一泊してるぐらいだから)が必要になるだろうし、兵士の交代要員を派遣する段取りにいろいろな物資を輸送する手段、それから通信手段の確保も大変そう。
そして、それらを「アンネローゼ様の生活を妨げない」よう行うのも一仕事。
まあ、その辺はヒルダとか軍の事務方が上手く処理するんだろうけど。
ラインハルトとボルテックのやりとりも面白かった。ボルテックは敢えて幼帝誘拐、同盟での亡命政府設立、さらにそれを大義名分としたラインハルトの同盟侵攻というフェザーンの意図を明かし、ラインハルトの覇業に協力する旨を表明するが、ラインハルトにそれを逆手に取られてしまった。
帝国軍によるフェザーン回廊の自由通行権という要求を突きつけられ、その上、同盟と組んでフェザーンを攻めるかもしれないよという可能性までほのめかされてしまった。
ボルテックの大失策。
高笑いするラインハルト。
うーん、今回はブチ切れしたり、高笑いしたり、感情の起伏が激しいラインハルト。というか、元々尖った熱い心を冷徹なそぶりで隠しているような人物ではあるが。