「エイリアン」として生きる――「エイリアン」を排除する国で
最近流行りの排外主義の人たちに聞きたいんですが、外国人や他民族に厳しい政権が、自国民や自民族に優しかった例ってあるんですかねえ。
外国人や他民族に抑圧的な政権は、自国民や自民族に対しても、同じように抑圧的で搾取的になっていくものです。
古今東西の権威主義国家、そして今の中国やロシア、さらにはトランプ政権以降のアメリカを見れば、それはよくわかると思うんですが。
それに、日本の排外主義者や右翼は、実際にネットや現実の場で、日本のマイノリティや社会的弱者を攻撃したり、切り捨てたりしていますよね。
私は、こうした現状に対して、静かな怒りを感じています。
もっとも、私はもう、こういう国とこういう社会には半ば愛想が尽きていて、世捨て人のように暮らしている身なんですけどね。
最近では、自分が「日本人」だという気があまりしなくて、日本で暮らしている「エイリアン(異分子)」のように感じているんですよ。
なぜかって?
私は、いろいろな意味でマイノリティだったおかげで、こうした社会から「人並み」に扱われてこなかったので、自分が「人間」だという実感が持てないんです。
「日本」に住み、「日本」の国籍を持ってはいるけれど、「人間」ではない。「日本」の「人間」ではない——つまり、「日本人」ではない。そんな気がしているんですよ。
今の私の立場は、かろうじてこの日本社会のお目こぼしを受けながら、なんとか「合法的に」生きている「エイリアン」といったところでしょうか。
この国とこの社会は今までにたくさんの「エイリアン」を排除してきましたし、私も社会から排除されましたが、まだなんとか「合法的なエイリアン(Legal Alien)」として生きています。
Sting の “Englishman in New York” ではありませんが。
もし「日本が嫌なら出て行け」と言われたら、「ええ、出て行きますよ。引っ越し代と片道の航空券をくださいな」と言い返すでしょうね。
まあ、極端な話、今の仕事はパソコンと安定したネット回線さえあれば、世界中どこでもできますから。