当分野の必携書――小松久男・荒川正晴・岡洋樹(編)『中央ユーラシア史研究入門』

小松久男・荒川正晴・岡洋樹(編)『中央ユーラシア史研究入門』山川出版社、2018年4月

 古代から現代、東は中国・東北アジア、西はヴォルガ・ウラル・コーカサスにわたる多様かつ壮大な中央ユーラシア史の研究動向が一冊にまとまっている。非常に有用な本。

自分が学んでいる清朝史とその関連分野についても近年の研究状況を着実に押さえてある。中央ユーラシア史の一部としての清朝史を見ていく上で本書は欠かせない。

本文内容も非常に充実しているし、挿まれたコラムも非常にためになるので、単に著作・論文探しの工具書として使うのではなく、是非一度通読してほしい。

本書は当分野の必携書というべきだろう。

(本書評は「読書メーター」に掲載した内容に修正・加筆を行ったものです)