LINEで送る
Pocket


 
満洲族(満族)は、80年代初頭の約300~400万人から現在の約1068万2263人(2000年)と、わずか20年あまりの間に人口が3倍増(!)しており、これは自然増としてはあまりに激しい増加率である。
 
 その原因としてはまず、他の少数民族と同様の
①優遇措置(一人っ子政策不適用、大学受験など)目当ての駆け込み登録。
が挙げられる。
 (少数民族への登録は、基本的にその民族の血が4分の1以上混じっていることが証明できればいいのらしいので)
 
 次に、満洲族独自の事情として、最近は中国でも清朝に対する一定の再評価がなされてきており、「滅満興漢」意識も次第になくなってきたので、
②辛亥革命後、民族名を隠して「漢族」登録していた人が元に戻した
という実態もある。
 
 さらに、満洲族の民族登録に関して、それ以外で注目に値するのは、八旗制の成り立ちにかかわる部分で、
③八旗(漢軍)に属していた漢族の子孫が、新たに「満族」として登録した。
人々が多いことである。
 特に③は、最近増加した満洲族の多くの部分を占めているらしい。
 
 周知のように八旗漢軍は漢族の投降者(旧明軍、三藩や鄭氏勢力)からなっているが、彼らは満洲・蒙古旗人と同様に八旗を生活基盤とする「旗人」であったため、次第に一般の漢族とは異なる独自のエスニシティや文化を持つようになり、それまで自動的に漢族として登録されていたものが、現在に至って満洲族へと「戻った」とのことである。
 
 たとえば、八旗の漢軍旗人は、旗人としての生活で、先祖の祭祀や生活習慣などいろいろな面で次第に「満化」していったらしく、それは現在も遼寧省鉄嶺地区に残る漢軍旗人の、北方的シャーマニズムを取り込んだ先祖祭祀に見て取ることが出来る。
 
 特に漢軍旗人の問題は、「民族とは何か?」を考える上で非常に興味深いケースであろう。