池田さなえ『笑いで歴史学を変える方法――歴史初心者からアカデミアまで』
池田さなえ『笑いで歴史学を変える方法――歴史初心者からアカデミアまで』(星海社新書306、星海社、2024年)
本論の前提として、歴史初心者にありがちな誤解への解説を行っており、こちらの方がむしろ読み所かも。
一般的なイメージとしての「歴史」と学問としての「歴史学」との違い、大学教員の仕事、学会業務、査読、史料読解、アマチュア歴史家のタイプとその活動方法など多岐にわたって触れられている。
個人的には、品川弥二郎の書簡を例とした史料読解の解説が面白かった。私もアマチュアの歴史愛好者なので読んでいて参考になる点が多かった。
「笑い」というテーマについては、真剣なおふざけとユーモアの大事さという点には賛同。
これから歴史学を学ぶ大学生だけでなく、アマチュアの歴史愛好家、在野研究者にも参考になる本だと思う。
(本記事は「読書メーター」に投稿し、さらに「2024年9月7日 土曜日 晴れ時々くもり 読書と阪神など」の中に書いたものですが、書評記事として独立させ、加筆訂正しました)