帰国
すでに他の場所でも書きました通り、10月10日(水)を以て日本に帰国することとなりました。
時が経つのは速いもので、2004年4月に瀋陽で留学生活を始めて以来、あっという間に8年半もの時間が過ぎてしまいました。
帰国の理由は以下の通りです
- 翻訳案件の激減
今年に入り、中国の景気の減速に伴い、製造業関連の翻訳案件数が激減。今年上半期(1~6月)の翻訳案件総数は前年比でほぼ半減。
下半期に入りやや持ち直したものの、今年1~9月の翻訳案件総数と翻訳総収入は前年同期比で2/3程度に減少しました。 - 社会保障
中国では社会保障が未発達で、現地採用でも社員への福利厚生は雀の涙です。大きな病気やケガをしたら一巻の終わりです。
今はまだ気力も体力も十分ですが、そのうちそうも行かなくなります。 - 両親の高齢化
両親も高齢となり、そろそろ日本に帰って親孝行したい気持ちになっています。
4、5年前からゆくゆくは帰国したいと漠然と考えてはいましたが、今回を良い区切りとして完全に帰国することにしました。
帰国したせいで逆に心配をかけないように努力しないと! - 今後の長期的人生計画と中国の「突発事態」の多さ
現在38歳で11月には39歳。そろそろ40代、50代、さらには老後に向けた長期的な人生計画を立てたいと考え始めています。
ですが、中国には予測不可能な突発事態が多すぎます。大は政治情勢の変動から、小は停電、断水、事故、交通渋滞、インターネットの不通、態度の悪い役人に至るまで挙げればきりがありません。これでは長期的な人生計画を立てようがありません。
今後は日本に軸足を置いて、長期的な計画を立てて仕事をしていきたいと思います。 - 清朝史・民族関連文献の入手難、閲覧困難
自分の趣味である清朝史や満洲族の史料や研究論文ですが、中国ではかえって入手、閲覧しにくいという理由もあります。清朝史・民族関連のマイナーな文献はむしろ日本のほうが入手・閲覧しやすい面もあります。
また、中国国内にはいろいろ政治的な制約があり、清朝史・民族関連文献はどうしても中国政府(漢族)のフィルターのかかった内容になりがちです。
やはり日本に軸足を置き、中国というフィールドを駆け巡るという形が最もベターだと思います。 - 中国生活のマンネリ化
中国生活も8年半。だんだんマンネリ化してきて、最初の頃の新鮮な気持ちが失われてきました。「倦怠期」といったところでしょうか。ここで中国から少し距離を置き、もう一度中国を見つめなおしたいという気持ちもあります。 - 最近の日中関係
御存知の通り、最近の日中関係には多くの波風が立っています。反日デモ、暴動が各地で発生し、日本人に対する憎しみやヘイトスピーチが一般レベルにまで浸透しつつあります。
戦後60年あまり、中国政府・共産党は、日本の一部の「右翼分子」・「軍国主義者」が悪いのであって、日本の庶民は悪くないというスタンスを貫いて来ましたが、最近はそうした姿勢を徐々に放棄しつつあります。
そして、8,9月には反日デモでの無法な破壊活動、日本人全体へのヘイトスピーチを事実上放置しました。
2004年以来中国で暮らしてきましたが、雰囲気は今が最悪です。
もちろん中国人では理性的な方々の比率が圧倒的に高いのですが、中国政府・共産党の煽る民族主義的な「空気」の下では、理性的な方々は沈黙せざるをえないのが現状です。
私は上述の1~6の理由により、今年年内、11月~12月頃の帰国を考えておりましたが、最近の情勢を考慮し、10月10日に前倒しすることにしました。
ただ、これは主要な帰国理由ではなく、あくまで7番目の理由です。仮に日中関係が平穏無事であっても11月~12月頃には帰国する予定でしたので、予定が1、2ヶ月早まったにすぎません。
今後も用事や仕事で中国にはたびたび来ることになると思います。
これまで8年半にわたり中国で暮らしたことは私にとって大きな財産です。
今後はこの財産を活かしていけるように努力していきたいと思います。
長くなりましたので、帰国前の正式なご挨拶は別記事で。
“帰国” に対して9件のコメントがあります。
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事情をご考慮されてのご決断に敬意を表します。学会等で関西に出向いたときにはまたどうぞよろしく御願い申し上げます。満洲語研究、ぜひお続けになられて、いろいろとまた御教示下さい。
ありがとうございます。
関西にお越しの折はこちらこそご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
満洲語と清朝史は今後もずっと続けていくつもりです。
こちらこそ今後共ご教示よろしくお願いいたします。
一直在关注这个博客,只是近来都是纯日文了,不懂不敢评论。于是近期中国的社会情况,也通过你的博文侧面确认。
关于第7条,看不懂不能评述什么,不过,提供一个关于中日关系的看法(可能你看过):随着中国政府对媒体的控制力变弱(也就是网络的发展),反日情绪在青年中随即增强。——背后的逻辑是,中国80-90代受到的教育、宣传通常是形似“日本极右翼只是一小撮”等等(反日教育?那是什么?),而且这一代能在电视上看到引进的日本动画(甚至EVA也曾在央视播放),“应该是亲日的”;随着网络发展,这一代人可以直接在网上接触到日本,但随即发现日本国情舆论与政府宣传不一样…(略)…直接说近年的情况。翻译国外舆论网站/论坛越来越多,比如 爬山虎、龙腾,这些网站仅需翻译2ch和日本雅虎的言论(显然,辱华言论居多)就迅速转向反日集中营。特别是某宅男聚集地(百元笼羊潜水的地方),喜爱动漫与反日并行不悖,过半认同战时日本全体国民负罪,彻底背离所受的政府教育。或者说“反洗脑”。…
(不论上面的观点,如果以为反日仅仅是政府导致,可就错远了。观点没有土壤只能煽动一时,而有基础可以无风自起)
快成长篇大论了,虽然许多论点还没引申到位,就写到这吧。
好久不见了。我很高兴你还不忘这个博客。太谢谢了!
你的看法也有道理,很值得参考。
「如果以为反日仅仅是政府导致,可就错远了」,我也同感。
我也不是反日仅仅是政府导致。
反日的背后有很多复杂的因素。
最近的反日,反华情绪从网络的互相接触发生。
>日本的2ch和日本雅虎的言论(显然,辱华言论居多)就迅速转向反日集中营,
很多日本人也看环球日报和其他反日BBS,就迅速转向反华集中营,
真是让人头疼的问题!
很多日本人和中国人都说「扩大交流就好」和「脱离洗脑」。但这个问题并不是那么简单。
但最近一,两个月的反日潮和日本人的种族歧视的确是政府煽动的(利用反日土壤)。至少可以说,政府承认和放任暴力和种族歧视。
我在回去日本后,也继续翻译和笔译工作,当做两国的桥梁。
跟我的博客一样,我绝不相信眼泪!
种族歧视…似乎不恰当,按当前情况用地域(国别)歧视比较像。
1.前段时间似是2ch有个帖在嘲弄“反日变成反政府”的情况。实际上如果中国政府表现出一点软弱,反日与反政府确实很容易互相转换。如果政府阻碍游行,那么游行便会直接针对政府。不阻碍实为疏流。
2.如果能够确实阻止暴力的话,那么出现暴力才是放任。问题是这些年来比这规模小的游行暴力(比如砸政府建筑的)也没能控制,放任则谈不上。这次示威在开始之前就可预见结果:规模更大,参与者更广,程度…警民比…发展成这样还算比网上预期好点。居然有城市开始就出动武警控场(由上述1.,也不能驱散),除了显示倾向控制事态,也可见没有统一的应对。
除非中国政府能控制神到“看上去不能控制”的话——但这像阴谋论。
种族歧视,叫国别歧视更恰当。但现状跟种族歧视一样。
政府也「左右为难」,我也了解。
但这也是中国政府的罪,也可以说不作为的罪。但是罪就是罪。无论有什么问题,也要保护外国人。这是国际关系的底线。
比如韩国也好,台湾也好,即使有历史问题和领土问题,,都保护日本人。
其实我也不好说这种问题。这种问题没完没了,我也不知道怎么办,怎么说。
追记。
联合国的《消除一切形式种族歧视公约 Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination》定义的种族歧视包括「种族、肤色、世系或民族或人种的任何区别、排斥、限制或优惠,其目的或效果为取消或损害政治、经济、社会、文化或公共生活任何其他方面人权及基本自由在平等地位上的承认、享受或行使」(第一条)。
也可以说,国别歧视也包括「种族歧视」在内。
按照这个定义的话,中国政府的行为(或不作为)完全是种族歧视,严重违背公约精神。
(好像不能继续嵌套回复的样子)
这个话题很大,不便以个人经验回复,我就在群里收集意见。谈到不作为,都是举例反讽,比如问遗留毒气那事(03年齐齐哈尔8·4事件)日本是怎么作为的、”我们至少没用毒气”…很刺耳就不好放这里了,毕竟你也不能代表日本政府回答。
关于追记公约,转网上讨论结果:“限摘录段落,只要是地球上的国家,要么是‘严重’违背公约,要么是非常‘严重’违背公约”——他们的意思是你无视了后面几条,或者怀疑是故意什么的。还有计算了导致自杀的“冷暴力”…扯很远也不提了。
呃,关于各国制约暴力能力的问题,上面提到的某宅男论坛前几天在激烈地讨论这个视频:
http://v.youku.com/v_show/id_XNDEyMDkyNjQw.html
只是讨论帖已经删了,可能论坛管理员不愿意闹大吧。
不妨收缩到个人可以讨论的问题?
嗯,我也这么想。收缩到个人可以讨论的问题吧。
对我们来说,这个问题太大了!
这个问题太大了,有点偏离我们个人的讨论中心。
网络这个场所不合适这种讨论。
我明天早上启程回国。今天夜半睡觉之前,要把电脑打包。
因此从今天夜半开始不能上网,一直到我在老家安排网络后才能再上。
至少3天不能上网。
讨论暂时停止吧。
我非常感谢我在中国时候的你的关照。
谢谢!