村山富市元首相の死去に思うこと
村山富市元首相死去。
ご冥福をお祈りいたします。
「戦中戦後」を知る世代がまた一人旅立たれましたね。
その政治家としての評価はひとまず置いて、一つの時代が終わっていく感があります。
あ、あと、阪神淡路大震災のときに「イデオロギー」とか「社会党」だから自衛隊の派遣が遅れたというのはデマですからね。
あれは単純にインフラの被害、通信の不通、渋滞、自治体と自治体職員自体が被害を受けたことによる対応の遅れ、当時の法制度の立ち後れなどの問題。
それはさておき、これは私個人の思いなのですが、村山元首相のように1920年代頃(大正~昭和初期頃)生まれで戦時中に青年期を過ごした人たちには一種独特な雰囲気を感じるんですよ。
大正デモクラシー時代に生を享け、戦前の教育を一通り受け、かつ青少年時代に戦前的な「教養主義」の洗礼を受けてきた最後の世代であり、多感な時代に残酷な戦争を目撃し、敗戦後に価値観の激変を体験し、そして長く激動の戦後を過ごしてきたので、それぞれの方々の主義主張などは別にして、その世代独特の風格や知性を身につけている感があります。
現在の政治家、マスメディア、ネットのインフルエンサーにはない「厚み」というものがあった気がします。
近年、そうした世代の方たちが一人また一人と旅立っていくにつれ、なんとも言えない思いがこみ上げます。
一つの時代の終わり、20世紀の終わりを感じます。
ところで、自分が大学学部と修士課程にいた頃は、そうした世代の先生方がまだギリギリ残っておられました。
いろいろ味わい深いお話が聞けて本当によかったです。
今思えば、たとえ生意気で不躾な若造と思われようと、もっといろいろお聞きしておけばよかったなあと。