2025年10月の読書メーター
10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1544
ナイス数:96
おまえレベルの話はしてないの感想
棋士としての夢を目指していたはずが、いつの間にか焦りと辛さと不安にさいなまれ、成績は伸び悩び、研究会にも誘われない芝。しかし将棋を辞めることはできない。一方、棋士としての夢を捨てて弁護士として成功をおさめるが将棋に囚われている大島。二人の視点が交錯し、また枝分かれしていく。将棋ではないが、自分も若い頃に夢を追いかけたが、焦りと辛さと不安にさいなまれる日々で、やがて挫折したので、二人の独白を読んでいるとまるで自分のことのように思えた。文字通り心に「刺さった」作品。
読了日:10月05日 著者:芦沢 央
後宮 殷から唐・五代十国まで (角川新書)の感想
中国の後宮や後宮制度の歴史というより、後宮をめぐる人物たちを中心とした歴史といったところ。今回は前半ということで五代十国までで、各時代についてバランス良く取り上げている。また、時代ごとの変化にも触れており、昔から「同じことの繰り返し」に見られがちな中国史が実はそうではないことを示している。さらに、各人物の強烈なエピソードには興味を引かれるし、趙高非宦官説など近年の研究による目新しい話題も取り入れていて面白かった。そして、関連の中国、日本の古典文学作品、ドラマ・映画も取り上げられているのも良かった。
読了日:10月05日 著者:加藤 徹
宇宙大将軍侯景SFアンソロジー 梁は燃えているかの感想
広大な宇宙を駆け巡る侯景、侯景とある人物との夢の対決、シミュレーションゲーム、カードゲーム、きれいな侯景、加速器実験、電波天文学×仏教ネタ、ハンバーガーなどなど実にさまざまな南朝梁と宇宙大将軍侯景を描き出す。それぞれの作品でSFやファンタジーの方法を用いてそれぞれまったく違う、それでいて「宇宙大将軍侯景」以外の何者でもない侯景を描き出していて本当に楽しかった。みんな違ってみんな侯景!
読了日:10月08日 著者:十三不塔,林譲治,木海
後宮 宋から清末までの感想
下巻となる本巻では宋代以降を扱う。上巻で扱われた唐代までのような強烈な個性を持った皇后・皇妃や宦官・外戚は少なくなる印象を受けた。史料が豊富なおかげか宋代と明清の後宮についての記述が非常に豊富。清朝の後宮は制度的にかなり完備され「お役所」的な印象を受けた。西太后については著者が以前に評伝を著していることもあり、かなり詳しい。また、本巻では各時代の後宮を扱ったドラマ・漫画作品などもたくさん紹介されており、後宮関連作品ガイドとしても使える。
読了日:10月12日 著者:加藤 徹
日本の月はまるく見える(3)の感想
本巻が最終巻。ストーリーも駆け足に。もう少し読んでみたかったというのが正直な感想。締めくくり方は良かったかなと。
読了日:10月23日 著者:史 セツキ
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