2025年11月3日 月曜日 雨時々くもり ついに暖房開始
今朝は9時頃に目覚める。
寒い!外は雨でよけいに寒い!
今日は木枯らし1号が吹いたらしい。
午前中は心身共に不調。寒いと心も体も元気がなくなる。
そこでついにエアコンの暖房をONにすることを決定!今シーズン初の暖房投入である。
この間から足元用の小型ホットカーペットは使っていたが、部屋全体を温めるのは今日が初めて。
半纏も着込んで完全武装である。
心身の不調により、整骨院の予約を明日に変更。
昼食は冷凍食品のナポリタンですませた。
午後は読書。
まず、吉田裕『続・日本軍兵士――帝国陸海軍の現実』(中公新書 2838、中央公論新社、2025年)を読む。
とにかく悲惨な事例が多く、怒りがこみ上げてくる。
続編となる本書では、明治からアジア太平洋戦争までの日本陸海軍兵士の衣食住、衛生などについて検討。
兵士の栄養状況、衛生環境が満洲事変あたりまでは改善されるが日中戦争以降退行していく事実は興味深い。
印象的なのは飯盒炊爨の兵士への負担の大きさ。
また、階級が下がるほど犠牲が増える「犠牲の不平等」、品質の悪い被服・軍靴、装備・荷物を背負う負担、衛生環境の劣悪さ、艦船の居住性の悪さなど、乏しい国力で軍備を充実させるためのつけを一般兵士に払わせていることがわかる。
まさに著者の指摘する「人間軽視」の発想である。受け継ぐべき重い教訓。
さて、我々はこうした教訓をどこまで活かしているだろうか。現在の政治、経済、社会、国防を見るに、まだまだ心もとないと言わざるを得ない。卑近な例では「ブラック企業」がそうだろう。こうした教訓は何度でも振り返るに値すると思った。
感想を『読書メーター』にも投稿した。
https://bookmeter.com/reviews/131302392
次に、高杉洋平『帝国陸軍――デモクラシーとの相剋』(中公新書 2863、中央公論新社、2025年)を読む。
今日は第4章の終わり、半分少し前まで読んだ。
本書は、帝国陸軍が大正デモクラシーに直面し、社会の民主化と反ミリタリズムの中どう自己革新を図ろうとしたか、さらに第一次世界大戦以降の近代化と「総力戦体制」の整備をどのように進めようとしたか、それらがなぜ昭和陸軍の暴走と破滅を招いたかを語る。
帝国陸軍が大正デモクラシーに合わせてある程度民主的で科学的・合理的な自己革新を図るも挫折し、さらに社会の反ミリタリズムの風潮への被害者意識を強め、軍と国民の相互理解は閉ざされていく。大正デモクラシーの影響による「革新」意識が彼らの考える社会革新、総力戦体制の整備と結びつく。そしてそれらの要素が組み合わさって、非民主的で精神主義的で非合理的な昭和陸軍への変質、軍の政治介入を招いたということのようだ。
軍隊の自己革新と政治・社会・国民との関係性について深く考えさせられる。
現在の自衛隊の自己革新もまだ途上だと思うし、自衛隊と国民の間も相互理解が進んでいるとは決して言えない。
特に後者について、元陸自として外から見ていると、自衛隊の公報や国民との関わり方もいろいろ問題があるし、国民の間にも民主主義社会における武装組織に対して深く考え、しっかりと見つめているとは思えない。戦前の轍を踏まないためにも、自衛隊と国民の間の相互理解は必要である。そして、国民も武装組織という「暴力装置」に目を背けるのではなく、「暴力装置」を管理する有権者として、自分事として考えてほしいと思う。
夜は、まず、今後の語学学習計画、満洲語史料の読解計画を立てた。
次にベルリン州立図書館のサイトで満洲語史料をチェックした。
修士論文で使った漢文史料の満洲語版を少しチェック。満洲語版はベルリン州立図書館のサイトで発見。
該当箇所を見てみると、同じ史料でも漢文版と満洲語版はニュアンスが違う箇所がある。
そこからさらに満洲語の原史料にも当たる必要もありそう。
今後、修士論文で使った漢文史料と満文史料の照合作業とか史料批判をやって行ければと思う。
約30年前の院生時代にそんな環境があればよかったんだけど。
おお、もう22時に。
まだ夕食をとっていなかったので、これから夕食にする。