私の「電脳清朝史」愛好史(三)2006年春~2012年秋

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私の「電脳清朝史」愛好史(二)2004年春~2006年春

2006年春、私は大連郊外の金州にあったとある日系企業の現地工場で、現場通訳・翻訳者として働くことになった。
瀋陽から金州の新居に引っ越して、再びブロードバンド回線を引いた。
その後数回の転職と転居を繰り返し、大連市内に落ち着き、在宅フリーランス翻訳者として活動することになる。

2000年代後半当時はネットでの情報発信も新たな時代に入り、情報発信手段もそれまでのホームページや掲示板からブログやSNSへと移行し始めていた。
さらに2010年前後には、Twitterの登場により、情報発信のハードルがどんどん下がっていった。
ネット上の無料百科事典であるWikipediaもこのころから広まったように思う。

学術情報のついても同じことがいえ、京都大学学術情報リポジトリ「KURENAI」 (1)https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/ 以下、本章で引用するURLの最終確認日は2020年9月15日である。、東洋文庫リポジトリ「ERNEST」(2) https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/ など各大学・研究機関の学術情報リポジトリが整備されはじめ、論文と学術情報の入手が格段に便利になった。

Amazonなど通販ビジネスも急成長し、日本で発売された書籍の入手で大いに助けられた。

また、株式会社はてなのブックマークサービスである「はてなブックマーク」が流行っていたので登録。
最初は時事問題のブックマーク、コメントに利用していたが、2010年頃からは学術情報のブックマーク用として利用するようになった
(3)筆者のアカウントURLは https://b.hatena.ne.jp/bitheiboo/ である。

 

中国においてもそうした傾向は変わらず、数々のブログサービスやSNSが雨後の筍のように登場していた。
中国のとある清朝史研究者もブログを運営しており、それがきっかけでその研究者の方と交流が始まったこともあった。
そして、私も中国のSNSである新浪微博(日本のマスメディアでは「中国版Twitter」として紹介されることが多い)に登録してみた。ただあまり利用せず、事実上の「ROM専」となり、現在はアカウントを完全に放置したままになっている。
中国のネット上の無料百科事典の百度百科
(4) https://baike.baidu.com/ も広く普及していった。Wikipediaと同じく、記事の質については玉石混淆というところだが、情報検索の取っ掛かりとしては利用しやすい。

史料・典籍では、1990年代末以降、『四庫全書』(5)文淵閣『四庫全書』原文電子版、武漢大学出版社、1999年。画像版。全文検索は不可能。Windows10では動作せず。、『清実録』(6)『清実録』超星数字図書館。画像版。全文検索は不可能。画像は『清実録』(中華書局、1985-87)のもの。などのCD-ROM媒体によるデータベースが登場し、以後多くの史料・典籍がCD-ROM媒体またはネットワーク上に登場し、現在に至る。

中国における学術情報発信で特に注目すべきは、大規模論文データベースの「CNKI 中国知網(China National Knowledge Infrastructure)」(7)中国国内版 https://www.cnki.net/ 海外版 https://chn.oversea.cnki.net/index/ 論文本文の閲覧は有料、検索は無料。東方書店が日本での代理店で個人利用者用プリペイドカードを販売。詳しくは以下リンク先参照。https://www.toho-shoten.co.jp/cnki/card.html が登場したことである。このデータベースにより、中国での先行研究検索、閲覧は文字通り飛躍的に便利になった。日本のデータベースも及ばない大規模さと利便性である。自分の分野について検索してみると、1990年代以降の主要な先行研究はほぼ検索可能であった。

さらにはそれまで紙でのみ発行されてきた学術雑誌の電子版も次第に公開されるようになった。

清朝史分野では、中国の『清史』編纂プロジェクトを実行する国家清史編纂委員会の公式ウェブサイトである「中華文史網」(8) http://www.historychina.net/ が開設以来精力的に学術情報を発信しており、私も時々チェックしていた。中国人民大学清史研究所のウェブサイト(9)http://www.iqh.net.cn/index.aspも学術情報を豊富に発信している。
満洲人自身による情報発信では、当時「吉祥満族」
(10) http://www.manchus.cn/ 現在ウェブサイトは削除済み。やフォーラム「満族在線」(11)http://www.manjusa.com/forum.php などといったサイトが盛んに活動しており、満洲人のネット上の活動を知る上で興味深かった。

中国においても通販ビジネスは急成長し、それまで一般書店では入手困難だった清朝史・満洲語関連書籍を自宅にいながらにして簡単に入手できるようになった。特にAmazonの中国法人のホームページ(12) https://www.amazon.cn/ 書籍については現在は紙の書籍の販売を停止し、電子書籍のみを販売。は頻繁に利用させてもらっていた。

2000年代、特に2000年代後半以降の学術情報発信の爆発的な大発展により、私の清朝史の勉強も大いに助けられた。
紙の学術雑誌も購読してはいたが、ネットによる学術情報発信の大発展により、特に中国においては徐々にネット上での学術情報収集へと移行していった。

 

大連の自宅では、仕事の合間を縫って読書やブログの更新、後述のTwitterの更新を行い、それがきっかけで研究者との交流が本格的に始まり、大連、中国に来られる研究者の方とお会いすることもあった。

そして2011年の初めにTwitterを始めてみた。
最初は学術情報の収集や発信というより、中国の時事問題についての発言に使用していたが、2012年5月にとあるユーザーの方と揉めたことでいったんアカウントを消去して再登録。以後、学術情報の収集を中心とするようになる。
その後も別アカウントを作ってみたり、削除してみたりして、現在のアカウントに至る
(13)現在のアカウント @honin_mejige は連絡用、ブログ・読書メーターなど連携サービスの更新情報通知用。非公開アカウントもあるが、主題から外れるのでここでは触れない。

大連での6年間は大変充実していた。
その後、さまざまな事情があり、2012年の秋に日本に本帰国することになる。

その後については次回で。

(つづく)

私の「電脳清朝史」愛好史(四)2012年秋~2019年

       [ + ]

    1. https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/ 以下、本章で引用するURLの最終確認日は2020年9月15日である。
    2. https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/
    3. 筆者のアカウントURLは https://b.hatena.ne.jp/bitheiboo/ である。
    4. https://baike.baidu.com/
    5. 文淵閣『四庫全書』原文電子版、武漢大学出版社、1999年。画像版。全文検索は不可能。Windows10では動作せず。
    6. 『清実録』超星数字図書館。画像版。全文検索は不可能。画像は『清実録』(中華書局、1985-87)のもの。
    7. 中国国内版 https://www.cnki.net/ 海外版 https://chn.oversea.cnki.net/index/ 論文本文の閲覧は有料、検索は無料。東方書店が日本での代理店で個人利用者用プリペイドカードを販売。詳しくは以下リンク先参照。https://www.toho-shoten.co.jp/cnki/card.html 
    8. http://www.historychina.net/
    9. http://www.iqh.net.cn/index.asp
    10. http://www.manchus.cn/ 現在ウェブサイトは削除済み。
    11. http://www.manjusa.com/forum.php 
    12. https://www.amazon.cn/ 書籍については現在は紙の書籍の販売を停止し、電子書籍のみを販売
    13. 現在のアカウント @honin_mejige は連絡用、ブログ・読書メーターなど連携サービスの更新情報通知用。非公開アカウントもあるが、主題から外れるのでここでは触れない。

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